第4回黒川塾 組合の収入源である入湯手形の工房、檜林の視察
2020年11月25日9:30~17:00
【構成】
講師:かける木工舎 當坊こず枝/河津開発 河津良隆
11月25日の次世代リーダー育成プログラム「第4回 黒川塾」では、講師に“かける木工舎・南小国町地域おこし協力隊”の當坊こず枝さんをお迎えし、30数年間入湯手形を作り続けている河津開発の工房視察及び檜林の見学にいきました。
入湯手形は、よくある薄く丸型の形状なので簡単に量産できるのではと想像してしまいますが、完成するまでには多くの行程があります。
“河津開発”
山を見る→木を選ぶ→木を切る→葉枯らし→運搬→煮る→皮を剥ぐ→節を切る→磨く→乾燥→輪切り→面を磨く→穴を開ける
“三養会(黒川地区の老人会)”
面に焼印(スタンプ)押す→穴に紐通し→裏面シール貼り→10個束ねる→納品
特に手形の形状は乾燥するとひび割れしやすいという特徴があります。しかし河津さんの作る手形は割れません。それは独自の湿度管理の賜物です。現在そのような知見と技術を継承するために講師の當坊さんを中心にしたキマモリプロジェクトが進んでいます。
また、お客様に手形を使って温泉をご利用いただくことは、間伐材が貨幣に還元されることにつながり、杉檜林の健全な管理のための一助になっています。
山を守り、技術をつなぐ。入湯手形はそのような役割を果たす地域の共有財産です。
【考察】
手形ができるまでの多くの工程を目の当たりにすることで改めて手形の大切さを感じたリーダーは多くいました。河津さんに対しての質問が相当数に上り予定時間を超過したほど関心の高い研修となりました。
この一連の活動が、間伐材が貨幣に還元されることにつながり、杉檜林の健全な管理のための一助になっているという、資源循環や他産業の実態までを理解することで大きな意義を感じて欲しいと願います。