2020年度7月から翌2月にかけて、黒川温泉旅館組合「研修部」を中心に「黒川温泉 黒川塾」を開催しました。宿の将来を担うリーダーに焦点を当ててカリキュラムを設計し、各旅館から次世代リーダー12名が参加しました。
黒川塾の目的は主に3点あります。
①旅館で課題となっている育成・指導機会不足に関して、組合がリーダー層が学ぶ機会を創出する
→リーダーとしての学び(企画立案・思考法・プロジェクト遂行・チームビルディングなど)
②要所で地域の資源・文化を題材にしたカリキュラムを盛り込むことで、本研修で得た知見をそのまま旅館ビジネスに活かせる設計とする
③リーダーが成長して旅館に求められる人材となり、信頼と期待を獲得することが、リーダーが旅館に愛着を持つきっかけとなりうる
第1回黒川塾
2020年7月13日9:30〜16:30
【構成】
●オープニング『黒川塾』とは?(次世代のリーダーに必要なスキル)
全体スケジュールの共有
●旅館の魅力づくりの手法
「価値」に意識を向けることの重要性について
担当者 株式会社RELATION 前田 優
まずは黒川塾の目的や概要の説明、その後参加者の自己紹介を行いました。
その後、黒川温泉でいち早く外部人材を取り入れて、旅館の魅力づくり・発信を行っている「旅館わかば」の取り組みを例に挙げ、ディレクターがどのような視点で新しいサービスを作っているのか、どのようなプロセスで進めているのかなど、具体的な事例をもとに解説。
時代や顧客ニーズの変化に柔軟に対応し、旅館の色を反映したサービスを各旅館で作ることの重要性を伝え、各旅館の次世代リーダー達への強い意識づけを行ないました。
【考察】
接遇研修やマナー研修といった、これまでの旅館業が行なってきた研修とは異なる、次世代リーダーとしての“あり方”を問う研修内容に序盤はリーダー達の戸惑いも見られたが、講義中盤以降は積極的な姿勢が見られ、「実は旅館を良くするためにこのようなことがしたかった」という意見も挙がっていました。
新たなサービスやプランを作る上で、お客様にとって何が価値と認識されるのか、どのようなプロセスで企画を作っていくのかという新たな知識・視点を得たリーダー達が、以後自身の所属する旅館でチャレンジをしていくことは大いに期待できます。
また、日常ルーティン業務が多い中で、このような創造的な機会、意見交換や交流の場を、彼らが切望していることも改めて知ることができました。