2021年12月6日
黒川温泉べっちん館にて、旅館で働くスタッフに向けて
「ハートフルサポーター育成研修」が開催されました。
講師においでいただいたのは
NPO法人UDくまもと 理事長 矢ケ部孝志 先生
交通事故によって両下肢障害となり、8年間の車いす生活を送り、
治験的に両膝人口置き換え手術を受け現在は歩行可能な状態となったそうです。
ご自身の経験と流ちょうな熊本弁で、座学を行ってくださいました。
ここでは、
バリアフリーとユニバーサルデザインは種類が違う ということ
「障がい者」という人格はない ということ
目が見えなくても、耳が聞こえなくても、車いすを利用していても、構える必要はないということ
お互いに気持ちよく過ごすために、いったい旅館にはどのような姿勢が必要なのか。
どのような情報を「宿泊したい」と思ってくださっている方に提供すればよいのか。
お客様の目線で、お話ししてくださいました。
目が見えにくいお客様へのおもてなしや、手につかまっていただく場合の心得も教えてくださいました。
(見えない方の手を引くということは、その方に不安を与えてしまう可能性があるそうです。)
食事のときにクロックポジションでご案内するとよいというアドバイスもありました。
後半は、実際に車いすを使い、どのような気遣いが必要なのか
使用する場合、お貸出しする場合の注意点
観光されるお客様に坂の多い黒川温泉でどのルートをご案内すればよいのか
組合長も体験しました。女性の力でも持ち上げることができます。コツがありますね。
多目的トイレを使用する際の動きも実践してくださいました。
手をつく場所や、広さなど、動きを見ていると
施設の課題も見えましたし
「こんな動きができるなんてすごい!」
と、自分のなかで車いすユーザーの方を「障がい」というフィルターで
見ていた部分があるなと、反省しました。
実際に車いすに座って、誰かに押してもらったり、段差を超えるために車いすを浮かしたりするのは
とても怖かったです。いったい自分たちでどこまでのことが出来るのだろうか…という不安もありました。
しかし、研修を通して一番感じたのは、「知る事、考えることをやめない事」だと思います。
たとえ正解はなくとも、多様な考え方を持ち、常に考え、
同じ時代に生きる人たちがみな笑顔になるためにはどうしたら良いのだろうと想いを巡らせることは
とても大切なことなんだと感じました。
学ぶことを続けることで、きっとお客様の笑顔、スタッフの笑顔につながるのではないかと思います。
今後も、さまざまなことを学び続けしっかりとおもてなしに繋げていきたいです。