季節ごとに行われるスタッフ向けの室礼講座、おもてなしの心をお花や調度品に託して表現する方法をみんなで学びます。
来る冬に向けて、今回はやまびこ旅館を舞台に「季節の室礼と花 ー冬の部ー」を開催しました。
まずはお客様を最初にお迎えする大切な玄関。
こちらはもともと飾ってあったお花です。満開の山茶花とカサブランカが華やかでとっても素敵ですね!
こちらをよりお正月らしく、そして黒川らしくアレンジしていきます。
今回もオフィス・エム代表、室礼師の松村先生にご指導いただいております。
素朴で厳かな雰囲気になりました。
向かいの甕はシンプルに。
参加者も真剣な表情で学んでいます。
さて、お次は広間をお借りして正月稲飾りのワークショップ。
稲作が盛んなこの辺りにぴったりの飾りを松村先生がデザインしてくれました。
小国杉の葉やとうもろこし、そして入湯手形のよう杉札飾りも黒川らしいでしょ?(こちらは女将の会で製作し販売も決定しました!)
室礼を学ぶと、日本の神事は農業、特に稲作と密接にかかわっていることがわかります。
黒川温泉はその昔、農業を営みながら、お客様が訪れたら宿を開けるという”半農半宿”のスタイルでした。
ルーツが農業であることの名残が温泉街のあちこちで見られます。
例えば軒先のとうもろこしは今となっては飾りですが、かつては牛の飼料にしたり種にするためでした。
木製の脱穀機や小川でまわる芋車も黒川らしい風景です。
黒川らしさってなんだろう?自分の旅館らしさってなんだろう?と一人一人が考えながらしつらえること。
この文化を定着させ、伝えることで ”らしさ” をより濃くすることも室礼講座の目的です。
年末から、この稲飾りがあちこちでお目見えするかもしれません。
ぜひご注目いただければ幸いです。