黒川温泉スタッフ向け講座
季節の室礼と花~春~
今年度最後の室礼教室でした
講師は室礼師の松村篤史先生です
今回は黒川荘さんの客室の床の間にて座学と実習を行いました
道具の説明「真・行・草」のバランスを考えながらしつらえてゆきます
軸も春を意識したものを
こちらのお軸は「富久者有智」と書いて「ふくわうち」と読むそうです
当て字と伺ったのですが
「遠仁者疎德 富久者有智~おにわそと ふくわうち」
即ち仁に遠ざかる者は德に疎く。富久しき者は智有りの義なり。亦文壇の一佳話といふべし。
という詩があるようです
なかなか興味深いです。
菜の花とわらび
普段、黒川に当たり前に見ることが出来る植物を活けるという発想に驚きました
でもこれが正に黒川温泉のおもてなしなのだと改めて思いました
乙女椿はかわいらしく存在感があり、春を演出してくれます
春といえば、ピンク、黄色、緑、紫、色を意識することも学びます
お雛様の軸と貝飾り、個性的な花器にも挑戦してみます
フロントロビーは天井高があるので背の高い植物を活けます
正面玄関の主役のお花、お客様を迎え入れる玄関のお花は最初のおもてなしです
おおき目な花器が多いので、枝ものや葉物を上手に組み合わせる技術が必要です
この研修の素晴らしいところのひとつが黒川温泉内の旅館が研修場所である事だと思います
自分の宿以外を見ることはそれだけでとても勉強になりますし、本当にどこを切り取っても絵になる
素晴らしい宿ばかりで、自分たちが働いている土地を誇りに思います
場をつくる、ステージをつくる
「盆飾り」と命名されました
季節を表現し、花を、軸を、道具をしつらえ、お客様をおもてなしする場です
床の間がない場所でも、ちょっとした心遣いで
おいでになったお客様におもてなしの気持ちが伝われば良いなと思います
軸の巻き方を復習
室礼教室も2年目を終えて、最初はちょっと堅苦しい雰囲気だったのが
和気あいあい「あ、それいい感じですね!」「かわいい~」なんていう会話が飛び交う
楽しい講座になってまいりました。ひとえに講師の松村先生のお人柄の賜物
そして黒川という土地で働く人々の意欲の賜物であると思います。
来年度は「お茶もいいね!」なんていう会話が聞こえてきていて
やはり、学びは尽きません
来年度も楽しく学んでいきたいと思います
(writing 漣祐子/ photo by 北里晃子)