日中はまだまだ暑い日が続きますが、朝晩の涼しい風に秋の気配を感じます。
さて、本日はべっちん館にて室礼講座を開催しました。
テーマは秋の室礼「重陽の節句と観月会」、今回もお馴染み、オフィス・エムの松村先生にお越しいただいております。
「重陽の節句」は五節句の中ではあまり知られていませんが、不老長寿を願う行事です。
恥ずかしながら私は全く知らなかったのですが、平安時代から続く『被綿(きせわた)』という風習があり、重陽前夜、菊の花に真綿を被せて霜よけとし、その香りと露を綿に移して、9月9日の重陽にその綿で身をぬぐうと命が延びるとされたそうです。
また薬効のある菊のお酒を飲むことで邪気を払い、長寿を願います。
そういう訳で、被綿と杯の水に菊の花びらを浮かべた室礼などご提案いただきました。
そして十五夜とは、、、
新月から満月になるまで15日ほどかかることからそう呼ばれています。
こちらはご存知、月を信仰の対象とし、十五夜の時期に収穫した野菜や果物を月にお供えして収穫を祝う行事ですね。
今はお団子をお供えしますが、古くは芋類がお供え物の中心だったそうです。
丸い満月は、豊穣の象徴だとも言われ、「満ち欠けする月の様子」や「作物が月の満ち欠けと共に成長する」ことから、
・農作物の収穫
・ものごとの結実
・祖先とのつながり
それぞれに感謝し、月に祈るようになりました。
ススキを飾るのは、その昔十五夜の時期に稲穂を手に入れるのが難しかったため、代わりにススキを月の神様の依り代としたからだそうです。
葉が鋭いため魔除けの力があるとも信じられており、お供えした後軒先に吊るすと一年間病気から守ってくれると言われています。
こちらは参加者の作品↓
最近は女将さんや接客スタッフの方々だけでなく、料理人さんも参加してくれます。
こういった室礼の文化を、料理にも生かしているのだとか。素晴らしい!
9月9日(金)が「重陽の節句」、9月10日(土)が今年は「中秋の名月」となります。
また9月23日(金)は「秋分の日」ですね。
各お宿で、それぞれの秋の室礼がお楽しみいただけることと思います。