巡り巡って黒川へ

大学で学んだ英語を活かしたくて、空港の保安検査場で働いたり、会社員として事務仕事をした時期もありました。どれも長くは続けられずに悩んでいたとき、リゾートバイトというものがあると知ったんです。4年ほど、ホテルや旅館を転々としながら、日本各地の景色を見て回りました。

親が九州に住んでいることもあって、最終的に黒川温泉に落ち着いたんです。山に囲まれていて、水源地も近い。きれいな風景や幻想的な景色に出会えるこの地域は、僕にとって住みやすい場所だったんですよね。

一期一会を大切に

日本中にホテルや宿が何万とあるなかで、黒川温泉を、そして『お宿 のし湯』を選んでいただくのって奇跡みたいなものですよね。せっかく遠くから来ていただいたからには、お出迎えからチェックアウトまでの時間を何不自由なく過ごしていただきたいんです。同じことをしても、喜んでくださる方とそうでない方がいらっしゃって。相手がなにを求めているのかを常に見極めないといけないのは、大変ですが、接客の醍醐味でもあると思います。

海外から来てくださるお客さまは、この庭を見てすごく喜んでくださるんですよ。ご案内するといいリアクションが返ってきて、語学を活かせていること、自分が役に立てているのがわかる。それが、すごくうれしいんですよね。

活かされて、できることが増えていく

この1年は、研修で黒川塾に参加していました。声をかけてもらったのはミスが多い時期で、正直、落ち込んでいて。自分を変えたいと思ったんです。黒川のことを学んで、黒川に関わる人たちとたくさん出会うことができました。黒川塾とは関係なく、自分の悩みを聞いてもらったこともあります。なんだか1年前より、なにをするにも前向きに考えられるようになったような気がしているんです。
今は、海外の方の困りごとに応えるパンフレットづくりに取り組んでいて。せっかく温泉に入りに来ているのに、入湯手形のことを知らなかったり、浴衣がうまく着られなかったらもったいないじゃないですか。自分の成長に向き合うことにいっぱいいっぱいだったのが、月日を重ねるごとに、自分ができることはないか、お客さまに喜んでいただくことに焦点を当てることに意識が変わってきました。

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皆様にお会いできることを、心より楽しみにしています。