阿蘇神社



(黒川温泉から車で約50分)



熊本地震で被災した阿蘇神社は、11月で復旧着工から2年を迎えました。2年をかけて手作業で丁寧に解体された楼門の復旧工事がいよいよ来年から本格化します。

工事が始まれば、高さ18メートルの楼門を覆う大きな素屋根が組み立てられるそうです。それまでにぜひ一度、皆様に阿蘇神社へお参りに来ていただけたらなぁと思っています。



現在の見どころは、楼門や拝殿が全壊したために普段は見えるはずのない、一の神殿、二の神殿と、一回り小さい三の神殿が丸見え状態という光景です。当然ながら神殿の手前に拝殿が完成すれば神殿は見えなくなります。

神殿がこのように見られるのは今だけなのです。



阿蘇神社の特徴といえば、日本三大楼門と横参道が有名ですが、私が自慢したいのは手水舎です。ここの手水舎は、ジャバジャバと勢いよく溢れ出す湧水。

手や口を清めるだけでなく、ガブガブと飲んでいただいてもいい、 神域に湧き出る銘水「神乃泉」なのです。

熊本地震で水道水が使えなくなったときにも、飲み水として大いに役立ちました。ボトルやタンクなどで水を持ち帰る人向けには、別に水汲み場が設けられています。



手と口を清めたら、次は神殿へ向かいます。神殿に向かうには、神社に並行する横参道を歩きます。横参道は全国的にも珍しいそうです。

気づかれる方はおられるかしら?横参道の鳥居の向こうには阿蘇五岳が見えます。 そう、「阿蘇山信仰の中核は噴火口にあった!」です。

参道の南には阿蘇噴火口、北には国造神社が位置していて、それらを結ぶライン上にあるのが阿蘇神社の参道ということらしいです。

だから阿蘇神社の参道は横になっていると聞くと、なんだかワクワクしませんか?



次に目にするのは、工事中の斎館。辞書では「神職などが神事に携わる前に心身を清めるためにこもる建物」とあります。屋根には銅板が使われていて金色でキラキラしています。

この金色が長い年月をかけて、神殿等の屋根のような緑色に色が変わっていくそうです。反対に神殿などの屋根がキラキラ金色の銅板だった時代があったのかと、今となっては想像がつきません。



駐車場には、阿蘇神社ガイド案内所があります。そこで無料ガイド案内を受け付けているので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか?「阿蘇ジオパークガイド」が境内を無料で案内してくださいます。

案内所内にも貴重な展示物があるので覗いてください。ただ、お参りするだけではなく、いろいろな説明を聞くとまた違った角度で観光が楽しめると思いますよ。

また、神社の近くには湧水を巡る「水基めぐり」や阿蘇の特産物が味わえる飲食店などが建ち並ぶ「門前町通り」がありますが、そのご案内はまたの機会に♪



阿蘇神社
住所/869−2612 熊本県阿蘇一の宮町宮地3083−1
電話/0967−22−0064
公式サイト/ 阿蘇神社

 
by 奥村 知己