阿蘇谷の古墳(中通古墳群)
2018.11.16 / 見る・体験する
(黒川温泉から車で約40分)
阿蘇には「小さな嵐山」があります。そう、京都で有名な観光地「嵐山(あらしやま)」に景色が似ているということから、「小嵐山(しょうらんざん)」という名前が付いた山です。
本当に似ているのかと問われると…、確かに川があって橋があって、紅葉する山があって…。けれど、規模は10分の1くらいかしら?もっともっと小さそうですね(笑)
この小嵐山のまっすぐで急勾配な階段をあがった先に眺めの良いステキな場所があります。道中には、優しい顔立ちの可愛い石仏さん達があちらこちらに鎮座しています。3分ほどで登れる低い山ですが、山頂から雲海を見渡すことができる朝もあります。昼間は中通古墳群を見下ろすのにちょうどよい高さと場所です。ということで、今回の本題に話が入っていきます。
田んぼの中に点在する大小の盛り土?初めて目にした人は「なんだろう?」と思うかもしれません。
しかし、立ち止まって近くへ見に行くまではしないであろう存在。柵もお濠もなく、それが5世紀ごろに造られた貴重な古墳だなんて思いもしないでしょう。
説明したとしても、お墓に興味を持つ人は少ないかもしれません。でも、敢えて題材に選んでみました(笑)
私は古墳マニアではありませんが、日本最大の前方後円墳「仁徳天皇陵古墳」のある大阪で育ちましたから、古墳を身近に感じて気になってしまうのかもしれません。
現在、形が残っている中通古墳は、前方後円墳2基、円墳8基の計10基。
阿蘇地域を支配していた「阿蘇の君」一族が葬られていると考えられているようです。昔は、もっと多くの小円墳があったと伝えられています。自然に、人為的に消えていく古墳…。
昭和34年に中通古墳群は県指定史跡に登録され、古墳は保護されるようになりました。そのきっかけになったのは、昭和24年の河川改修工事で前方後円墳の前方部を失ってしまった長目塚古墳なのかもしれません。復元した大きさは熊本県内で最大級規模(全長約129m)の前方後円墳になるそうです。
一方、外輪山の麓にある国造神社近くには巨石古墳があります。巨大な自然石や切石を用いた横穴式石室がある「上御倉・下御倉古墳 (かみおぐら・しもおぐらこふん) 」です。
こちらは中通古墳が造られた後の時代、6世紀ごろに造られたと推定されています。こちらの上御倉古墳も熊本県内の代表的な巨石古墳のひとつ。そこに自由に入ることができるワクワク感!
奥行き約10メートルのちょっとしたタイムスリップ!電気を付けて見学をすることができるので怖くないですよ。もちろん無料!旅の思い出に古墳めぐりはいかがですか?レンタルサイクリングを借りて周るのも楽しいですよ。
阿蘇谷の古墳(中通古墳群)
住所/869-2613 熊本県阿蘇市一の宮町中通
電話番号/0967−22−3229(阿蘇市教育委員会)